みなさんこんにちは。リブリッチ大井町店の石井です。
何気なく通るゼームス坂。どんな歴史があるかご紹介いたします。
名前の由来
品川区の大井町駅から南へ少し歩くと現れる「ゼームス坂(James坂)」。この坂は、かつてこの地に暮らしたイギリス人技師、トーマス・グラバー・ゼームス氏の名にちなんで名付けられた歴史ある坂道です。坂の名に「ゼームス」と外国人の名がついているのは珍しく、品川の中でも特に異国情緒を感じさせるスポットとして知られています。
ゼームス氏は明治時代、近代日本のインフラ整備に深く関わった人物で、特に鉄道建設に大きな功績を残しました。彼がこの付近に邸宅を構えたことから、地元の人々の間で「ゼームス坂」と呼ばれるようになったといわれています。当時の記録によると、ゼームス邸は広大な敷地を誇り、洋風の建築が珍しかった時代に、異国の雰囲気を漂わせていたそうです。
現在
現在のゼームス坂は、JR大井町駅から南大井方面へと下るゆるやかな坂道。周囲にはマンションや住宅が立ち並び、日常の生活道路として多くの人が行き交います。坂の途中からは品川方面の街並みが見渡せ、夕方にはオレンジ色に染まる美しい景観を楽しむこともできます。大井町の賑やかな駅前から少し離れるだけで、静けさと風情を感じられるこの坂は、地元の人々の散歩コースとしても人気です。
春には坂沿いの植栽が色づき、秋には柔らかな光が差し込むなど、季節ごとに表情を変えるゼームス坂。道幅は決して広くありませんが、その曲線や高低差がどこか懐かしく、人の記憶に残る風景を作り出しています。近代化が進む品川の中で、どこか時間の流れがゆるやかに感じられるこの坂には、歴史と生活が共存する魅力があります。
大井町を訪れた際には、駅前のショッピングやグルメだけでなく、少し足をのばしてゼームス坂を歩いてみるのもおすすめです。坂を上るにつれて、古き良き品川の面影と、静かな住宅街の落ち着きを感じることができるでしょう。歩くたびに、ここに暮らした人々の歴史と、異文化が交わった明治の息吹を感じられる。それが「ゼームス坂」の魅力です。
みなさん、「ゼームス坂」が人の名前から来ているって知っていましたか。
僕は初めて知ったときビックリしました。